笑いは百薬の長

ディサービスで働く私の心。

目が死んでいる

ネグレクトにあっていた

おばあちゃんの話。


利用者様が急に1人増えると

職員がざわついた。

職員不足のこのディサービス。



私が来る前に

新しい人が来ては辞めていった。


唯一残ってるのが私みたいだ。


私も、こんないい加減なディサービスより

もっと厳しくて

きっちり仕事教えてくれる

ディサービスに行きたいと思っていた。


だが、利用者様を見ると

私が辞めたら…と思うと辞めにくい

みんなが、死ぬまで私はここにいる!と言った。


ある日出勤すると

新しい名前があった。

その人の情報は、

〇〇県からきた

1時間おきにトイレ誘導

しかなかった。


直ぐさま、管理職にこんなんじゃ

情報が少なすぎると抗議したが

〇〇県で娘さまからネグレクトされて

こちらで長女様が同居する事になり

〇〇県のケアマネジャーと話した情報が

これしかなかったと言われた。



仕方がない、、

今日1日、利用者様を観察しよう。



新しい利用者様がやってきた。

とても可愛らしい利用者様だった。

ネグレクトにあっていたなんて思えない。


顔見ると

とても暗く、ボケーっとして

目が死んでいた。


私の唯一のウリは元気しかない。


おはおはよう!でございます❗️

利用者様1人ずついつものように

挨拶をし、新しい利用者様が来た。


初めまして❗️〇〇です❗️

今日1日よろしくお願いします❗️と言うと


一気に新しい利用者様の全部が

明るく見えた。

目が死んでいる人ではなく

とても笑顔が似合う人だった。


その日は

歌を歌おうと歌のレクリエーションにした。

新しい利用者様は歌がすごくお上手で

とても綺麗な歌声だった。


Love is overを英語で歌って下さった。


そんな日々を繰り返し

いつも明るく笑顔な利用者様になった。

一緒に変な顔して体操しながら笑ったり

先生、今日はなにするの?と

ニコニコ話てくれる利用者様になった。




そんな日が2ヶ月過ぎた時

いつもと様子が違う。

明るさが少なくなった。

どこかしんどそうだった。

だが、私はネグレクトの心の傷かなと

思い、新しい利用者様が好きな歌を

一緒に歌うしかなかった。

その時は楽しそうで笑顔だった。


私が休みの日にそれが起こった。

いつもと様子が明らかに違う。

社長が指示をだし

看護師が

バイタルを測った。


脳梗塞の初期に似ている。



すぐにご家族に連絡をし

病院へ行くようにお願いした。

私達は医者でない、だから確信はできない

症状を見る限り、脳梗塞に似ている。

すぐに、みてもらってください!


すぐに病院へいかれた。


病名、脳梗塞。


幸い、早くに見つかったため

命は助かった。

リハビリもすぐに終わり

また、うちへ来れるようになった。


久しぶりにあった利用者様は

脳梗塞の後遺症で少し

物の理解が難しくなっていた。

大好きな歌もわからないと言うように

なっていた。


すごくショックだった。

あんなに笑顔が似合う人。

あんなにお茶目な人が

初めて来た時と同じように暗くなっていた。

必死に大好きだった歌を歌った。


少しずつだが

最近 Love is overを思い出し

歌ってくれるようになった。


話さなければ、目が死んでいる。

話したら笑顔になる。

Love is overを歌えば楽しそうに歌ってくれる。

他の職員も気にしてほしい。

目を背けないでほしい。

一人一人にあったケアを見つけて

ケアして欲しい。


新しい利用者様のご家族様は

ネグレクトにあっていた事を知らなくて

今人一倍に自分を責めて

一生懸命に利用者様のお世話をされている。

きっと、頑張り過ぎて疲れていると思う。

ご家族様のケアができるのは

ケアマネジャーだ。

後4年、後4年頑張れば

ケアマネジャーの試験を受けれる。

その日が来るまで、倒れないで欲しい。

頑張りすぎないで欲しい。